空家問題とは

現在全国的に、誰も住まなくり放置された「空家」が問題とされています。総務省によると平成25年10月1日現在、総住宅数は6063万戸うち空き家は820万戸で空き家率は13.5%となっております。これには賃貸・売却用の空家も含まれていますが、それらを除いた管理されていない空き家は全住宅の5%以上あるとされています。
中には地震や台風等の災害により倒壊の危険性がある、もしくは放火される危険がある、犯罪の温床になる、害獣の繁殖、悪臭を発生させる等、周辺住環境に対し深刻な影響を与えるケースも見られます。
周辺住民はもとより、行政もこれを問題とし、空家問題を解消するために対策を練っています。
(参考資料:週刊東洋経済 2014.12.20日号、 総務局統計データ 平成25年住宅・土地統計調査)
関連法案の成立
国はこうした空家問題を解消するため、「空家等対策の推進に関する特別措置法案(空家対策特別措置法)」を成立させました。
これにより適切な管理の行われていない問題のある空家を「特定空家等」とし、市区町村により指導・助言、勧告を行うことができるようになりました。
現在空家となっている建物は、所有者が周辺の地域環境に悪影響を与えないよう、適切な管理をするよう定められています。一方で市区町村は空家対策の計画を策定し、それを実施しなければならなくなりました。
空家の所有者にとって注意しなければならないのは、所有している家屋が「特定空家等」に指定されると、固定資産税の住宅用地特例措置が受けられなくなるということです。これまでの優遇措置がうけられなくなるため、固定資産税が跳ね上がることになります。
所有者・行政共に、より積極的に空家問題に取り組む必要があります。
(参考資料:衆議院 議案情報 空家等対策の推進に関する特別措置法案)
空家の再生

空家問題を解決するために、各行政、企業も様々な提案をしています。
例えば、パナソニックは空き家の再生事業を始ました。木造住宅をFC加盟する工務店がリフォームし、賃貸住宅として貸し出すというものです。主に子育て中の夫婦などに、賃貸マンション並みの資金で一戸建てに住めるようにします。
住宅減で国内の住宅新設が頭打ちとなっており、空家となっている中古住宅を再生して収益をあげる取り組みは、各住宅メーカーや工務店の間で重要となってきています。
空家問題を解消するために、行政だけでなく、こうした業界とも連携をとっていく必要があります。
(参考資料:日本経済新聞 2014.12.24日)